〈ジーンズの歴史〉反逆者のシンボル「ジーンズ」がファッションとして着こなされるまで
私たちのファッションに欠かせなくなったジーンズ。
誰もが1着は持ってるであろうジーンズは時代をさかのぼると労働者や反逆者のシンボルだったのです。
たしかに現代ではオフィスカジュアルがファッションとして定着しジーンズでのオフィシャルの場も理解が深まりましたがフォーマルな場所での着用は定着しないですよね。
今回はジーンズがファッションとして着こなされるまでのストーリーを話していきたいと思います。
[目次]
・ジーンズの生地“デニム”の発祥地は「フランス」
・1870年代 ジーンズは労働者の象徴
・1920年代 ジーンズは「カーボーイファッション」の象徴に
・1930年代 デュードランチのファッションとして女性用ジーンズが初誕生
・1947年 世界初のデザイナージーンズが誕生
・1950年代 カジュアルウェアとしてのジーンズのシフト化
・1960年代 ジーンズは「反逆者のファッション」の象徴に
・1970年代 ジーンズは「カウンターカルチャーのファッション」の象徴に
・1980年代 カルバン・クラインの広告の影響によりメゾンブランドに大きな影響を与える
ジーンズの生地“デニム”の発祥地は「フランス」
ジーンズといえば“アメリカファッション”と連想しますが
実は生地デニムはフランスのニームが発祥地。
18世紀にイタリアのジェノバを中心に海外へ輸出されていて、当時アメリカに行ったジェノバ人たちが穿いていたズボンをアメリカ人がジーンズ(ジェノイーズ=ジェノバ人の)と発音していたのがジーンズの始まりです。
1870年代 ジーンズは労働者の象徴
アメリカ西部でゴールドラッシュによるハードワークに耐える頑丈なオーバーオールとして労働者が
仕立て屋を営んでいたジェイコブ・デイビスに依頼。ジェイコブ・デイビスはサンフランシスコの織物商人リーバイ・ストラウスから生地を仕入れジーンズを製作。
その後、リヴェットの特許を取り、リーバイと二人でリーバイスを誕生させた。
某有名なリーバイスはジーンズがファッションとなるスタートを切ったともいえますね。
1911年 leeが誕生
1911年リー・マーカンタイル社がワークウェアとしてのウエストオーバーオールの製造を開始
1920年代 カーボーイとしての象徴に
労働者の中のカーボーイが映画でジーンズを穿いて登場するようになると
各社ともカーボーイをイメージした広告にするしジーンズ=カーボーイのイメージになります。
ワークウェアとしての印象のジーンズが「カーボーイファッション」としてシフトチェンジします。
1930年代 デュードランチアイテムとし女性用ジーンズが初誕生
それでもまだ労働者のイメージが強かったジーンズは女性が穿くなんて考えない時代でした。
ですが、牧場を観光スポットにするデュードランチがブームになり牧場に観光する人々は牧場をテーマにジーンズを穿きこなしました。
そこでリーバイスはデユードランチ用のアイテムとして女性向けジーンズを世界に初めて生み出した
1939年 第二次世界大戦により 女性もワークウェアとしてジーンズを穿くようになる
女性用ボトムはサイドジッパーが普通でジーンズのセンタージッパーに抵抗があり避けられていました。
しかし戦時、女性も工場で働き始めると、ワークウェアとして女性もジーンズを穿くようになります。
また戦争の影響でアメリカ兵の穿いていたデニムが日本にも渡るきっかけになります。
1947年 世界初のデザイナージーンズが誕生
ブルーベル社がラングラージーンズにデザイナーロデオベンを起用しました
1950年代 カジュアルウェアとしてのジーンズに
戦後の繁栄でこれまでワークウェアとして位置付けられていたジーンズが「カジュアルウェア」としてブームになります。雑誌などの広告もワークウェアメーカーからカジュアルウェアメーカーへとシフトチェンジ。
これまでだぼっとしたジーンズが主流だったのに対し細身のシルエットがトレンドになります。
ここからファッションとしてのジーンズにシフトチェンジしていきます。
1952年 リーバイスはアメリカ全国規模で女性用ジーンズの販売を開始
当時マリリンモンローの「『熱い夜の疼き』」で穿いていたジーンズがヒットします。
ムービースターの衣装の影響は大きく、特に当時絶大な人気を誇っていたマリリンですからジーンズの浸透化はものすごいスピードでした。
1960年代 ジーンズ=「反逆者」のイメージに
ジーンズ界も盛んになり映画のムービースターたちがこぞって衣装にしています。
ハリウッド映画”ワイルド・ワン”では、マーロン・ブランドが、”理由なき反抗”でジェーム・スディーンが悪役で着ていた影響があり、ジーンズは悪影響というイメージが世間についてしまいました。
一方で若者という新たな社会的存在が放つ異議申立ての代弁者(アイテム)となりました。
若者の象徴となったデニムはエリート校のアイビーリーガーたちも興味を持ちました。
ドレスコードが厳格な当時、ホワイトのデニムならジーンズだとわからないと考えホワイトデニムをこぞって穿いていました。
ファッションとして着こなすようになったジーンズですが若者のイメージがとても強かったようです。
1970年代 カウンターカルチャーの象徴に
1971年のjesus jeansキャンペーンは並外れの物議を醸し西洋の若者の象徴にもなり、
若者、自由、70年代の社会の根本的な変革と密接につながりのあるブランドとなりました。
|ジーンズはモッズやヒッピーの「自由」の象徴として
1960年代、「自由・犯行」の象徴ともなっていたジーンズをモッズたちはホワイトジーンズを好んで取り入れ、ヒッピーたちにもジーンズが取り入れられた
男性女性ともに反体制のアイコンとなりワードローブの必須に。
特に10代少女の間ではスキニーなシルエットジーンズが人気になります。
|カウンターカルチャー、アンダーグラウンドの「パンク」の象徴としても
カウンターカルチャー、アンダーグラウンドの象徴の「パンク」の間でも人気になります。
またパンクはダメージの施されたジーンズを好みました。
また当時人気だったパンクバンド「テレビジョン」はジーンズを引き裂いたスタイルで登場しファンたちに影響を与えました。
パンクの影響によりダメージをジーンズに与えても大丈夫なくらいジーンズは上部という考えが定着しました。
さらに人気を集めたのがリーバイスのブーツカットジーンズでした。
1980年代 カルバン・クラインの広告が多くのメゾンブランドに影響を
当時15歳のブルック・シールズを起用したカルバンクライン。
ジーンズとはエロティシズムと表現していたカルバン・クラインはセクシーさを大切にし美しさ、シルエットを綺麗に見せる視点でデザインし、その後10年間、デザイナージーンズブランドとして有名になり
世界的にもデザイナージーンズのムーブメントが起こります。
その後1990年代までにヴェルサーチ、ドルチェ&ガッバーナ、Diorなどメゾンファッション界にもジーンズが参入しました。
最初は労働者のニーズとしてのジーンズですが約100年の歴史のなかで徐々にファッションとしてのジーンズに変化していきました。
普段何気なく穿いているジーンズにもこんな歴史があったんだと思うと面白いですよね。
Pants.jpのジーンズも見逃せません♡
毎年トレンドに合わせてジーンズのシルエットやデザインは変わっていきますが
ベースとなるジーンズは1着はワードローブに備えておきたいですよね♡
パンツのソムリエからもジーンズ4本がラインナップしていますよ。
すらっとシルエットなテーパードはベーシックなコーデにはマストアイテム。
カジュアルにも綺麗めにも着こなせるので1枚持っておいてもいいですよね♡
Pant,jpのデニムはストレッチ性に優れているため穿いているのをわすれてしまうくらい動きやすいんです!
アクティブに活動する春夏のワードローブにいかがですか?